ご 挨 拶
1983年に厚生省は「医療費亡国論」を、そして1998年には「医師過剰予測」を発表し、医学部定員の削減を行い、政府は医療費削減ありきの政策をとっています。特に小泉純一郎内閣時代にはそのカリスマ性で「聖域なき構造改革」をスローガンに掲げ、結果として医療・福祉・介護・年金などの社会保障分野も改革され、いずれも崩壊の危機にたたされています。世界に類をみないスピードで高齢社会が進行していく我が国においては、安心して暮らすことのできる社会保障制度であって欲しいと願って止みませんが、社会保障への予算をいかに削減できるかが最近の政府の関心であることは誠に残念でなりません。
医療においては、特に急性期病院では平均在院日数の削減が求められ、患者・家族からは「もっと入院していたい」「病院から追い出された」などと言われながら、退院・転院を促しているのが実情です。このような状況では、決して国民に優しい医療とは言えません。療養型病床も将来計画では大幅に削減され、転院さえもできずに、やむを得ず在宅療養になる場合も多いのが現状です。介護保険制度改革も度々行われていますが、介護費削減が目的であるがために、さまざまな矛盾や軋轢が出現しています。今後は、医療難民や介護難民が増加することが懸念されています。
このような状況を鑑み、東海大学医学部付属病院患者支援センター総合相談室では、近隣病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)に呼びかけ、2006年9月1日から「神奈川中西部病院MSW連絡会」を定期的に開催しています。神奈川中西部唯一の特定機能病院の役割の一つとしての考えからです。おかげさまで2008年2月8日には第5回の連絡会を開催することができました。東海大学病院が声かけをしている関係で、地理的には伊勢原が中心になっていますが、参加している医療機関と東海大学病院とが連携するだけはありません。MSWが関わる業務をより円滑にするために、多くのMSWが顔見知りになり、各々の医療機関の立場を相互理解し、そして患者・家族などの利用者へのサービス向上を目的としています。東海大学病院以外の医療機関相互の連携も重要なことだと思っておりますので、この連絡会を生かしていただければ幸いです。なおこの会は正式に組織されたものではなく任意の会です。
2008年5月9日 東海大学医学部付属病院患者支援センター長 谷亀光則(cmc@is.icc.u-tokai.ac.jp)